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国家公務員特有の勤務時間制度にほぼ標準機能で対応!超過勤務の削減にも活かせるシステムへ

  • 会計検査院
    人事課 担当者A様、B様
  • 業種:
    行政機関
  • 拠点数:
    庁舎1箇所 ほかに研修所等(2024年7月現在)
  • 対象規模:
    約1,300人(2024年1月現在)
  • 運用開始:
    2024年1月~

会計検査院の特徴:
国の収入支出の決算、政府関係機関・独立行政法人等の会計、国が補助金等の財政援助を与えているものの会計などの検査を行う憲法上の独立した機関(出典:会計検査院ウェブサイト|会計検査院の地位)。職員は国家公務員となるため、労務管理は企業でいう就業規則ではなく、法律に基づいて行われている。

所在地:
〒100-8941 東京都千代田区霞が関3-2-2

コーポレートサイト:
https://www.jbaudit.go.jp/

  • 導入の目的

    国の指針に応じた勤務時間の「見える化」で、職員自身に超過勤務時間数を意識させ、業務改善を進めたい

    国家公務員のフレックスタイム制に対応できるシステムを導入したい

    勤務時間管理から超過勤務手当支給までの手続きを簡素化したい

  • 導入製品

1.コロナ禍による段階的な電子化で、業務は紙の書類よりも複雑に……

Q:導入の背景について教えていただけますか?

Aさま:国の勤務時間制度においては、従前より紙媒体・押印によって行うものがほとんどでした。平成31年に人事院規則などの改正により押印廃止を各省の判断で行えるようになり、令和3年に「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」が改正されました。この改正により、各府省において「勤務時間管理システム」の導入などにより勤務時間管理をシステム化し、職員の勤務時間を「見える化」したうえで、必要な改善方策に取り組むことが明文化されました。

平成31年の人事院規則改正後、新型コロナウイルスがまん延したことで、急速に職員のテレワークが推進されました。これにより、紙媒体での勤務管理が難しくなったことから、本院では出勤簿、休暇簿の一部を紙媒体から表計算ソフトに移行しました。しかし、1つの部課に多いところで40名ほど職員がいることから、40名×365日分のデータが表計算ソフトのファイル1つにまとめられています。そこに休暇申請を手入力して、間違いがないか確認して……紙の書類では起こり得ない「セルを1つ間違えるだけで出勤簿の情報が大きく変わる」といった状況もままあるなか、正確性を求めるのが紙よりも大変になってしまったのです。

そのため、今回のシステム導入に当たっては、人手をかけることなく正確にデータを管理でき、勤務時間管理の手続きから超過勤務手当の計算手続きまでを一括で実施できるシステムの導入を目指すことになりました。

2.特有の国家公務員の勤務時間制度も、標準機能でほとんどをカバーできた

Q:システム選定にあたって、優先度の高かった条件はどのようなものでしたか。

Aさま:システムの肝として、まず超過勤務手当支給までの事務を簡素化することがありました。これは、システムの検討時点で他府省では取り組んでいる実績がなかったことから、積極的に実施したいと考えていました。もうひとつ、国家公務員の勤務時間制度に対応できることが必須でした。例えば、最新のフレックスタイム制度への対応ですね。

Bさま:国家公務員は、フレックスタイム制といっても始業/終了時刻を前もって決めておかなくてはいけないんです。例えば「今日は早く仕事が終わったので申請していた時間より1時間早く帰ります」という場合は「1時間の年次休暇」を取ることになりますし、「今日はこの時間に帰ると申請していましたが、急な仕事が入って結局それ以降も勤務しました」という場合には「超過勤務」として超過勤務手当が支給されます。

フレックスタイム制の説明図

Aさま:平成31年に表計算ソフトを用いた出勤簿管理に移行した際に、RPAやちょっとした試行システムを用いるなどして自動で管理できるような仕組みを作りましたが、既にご説明したとおり、柔軟な働き方を実現しつつ、一定程度の制約が存在する制度であるため、勤務時間管理の複雑な部分については自動で対応できず、職員自身の作業が必要となる場面もありました。そのため、導入するシステムでは、エラーチェック、出退勤管理との連携等もリアルタイムで実施できるようなシステムを実現したいと考えていました。制度運用ひとつをとっても、休暇簿の記載内容、週休日(土日)・休日(祝日)の違いによる制度の分け、行政文書としての保存など、新たな検討事項がたくさんあったのではないかと、振り返ってみると感じています。

ただ、カスタマイズでご対応いただいたのはフレックスタイム制度だけで、それ以外の各種制度については、すべて既存システム内の調整で対応可能であったので、改めて20,000社の導入実績はすごいなと感じました。パッケージの範囲内で国家公務員特有の勤怠管理に合わせたあらゆる機能を実現していただき、現在問題なく運用できていることを考えると、他省庁でも応用がきくといいますか、官公庁でも十分に利用可能なシステムだと感じています。

Q:出退勤の打刻では国家公務員身分証(マイナンバーカードのICチップに情報を搭載)での認証方式を採用されていますが、どのような理由で選定されたのでしょうか。

Aさま:選定要件のひとつに「客観情報で勤務時間を管理する」というものがありました。誰から見てもその時間に当人が出勤・退勤したとわかるシステムログを取るということですね。指紋認証、顔認証、業務端末のログイン情報などの候補が挙がるなか、アマノさんからご提案いただいたのがタイムレコーダーでの打刻管理でした。ご提案いただいた際に、国家公務員身分証は職員全員が持っていて、かざすだけで打刻管理できる手軽さも持ち合わせているものですので、求めている客観情報を取得するにはちょうどよいと感じました。個人情報を扱うに当たって、タイムレコーダーで豊富な実績を持っているアマノさんのシステムであることも安心材料の一つでした。

Q:システム導入までの間で、ご苦労なさったことはありますか?

Aさま:本システムでは、職員用端末やネットワークの更新と同時期となったため、試行環境は旧ネットワーク、本稼働は新ネットワークといった形で、いろいろな状況に対応していただく必要がありました。ネットワーク構築の途中から打合せに参加していただくなど、アマノさんにもご負担をおかけしたことと思います。

Bさま:システムの要件定義の際の、国家公務員独自の制度、本院独自の制度のシステムへの落とし込みについては、非常に難しかったと記憶しています。私自身も勤務時間制度を改めて勉強する機会となりましたが、特に、制度としてはあるけれど使用機会が低いものについては、複雑な動きをすることも相まって、悩むところでした。

例えば、先ほど「時間単位の年次休暇」のお話も出ましたが、1分単位で取得できる休暇もあります。職員の福利厚生の観点からは休暇の種類が多いことはいいことですが、休暇ごとに使える条件・単位・残日数が異なっているなかで、種類ごとに制度にのっとった使い方で運用できるかどうか、それを要件として落とし込むのが非常に難しかったなと。

できる限り使い勝手のよいものを作るために、いろいろとご相談をしたこともありましたが、アマノの担当者の方は、どんなに難しい内容でも必ず「できるか確認してみます」とおっしゃってくれたので、顧客目線でどうしたらよいかを考えて取り組んでいただいているのが伝わってきました。そのままでは実現できない処理でも「こういった方法を使えばできます」と代替案を積極的にご提案いただいたのはとても心強かったです。導入直前まで毎週お越しいただき、対面での打合せを実施していただけたのも大変助かりました。

Aさま:システムの動作などをわかりやすく説明いただけるので、こちらの知識も蓄積されました。
当初はどうやってこのシステムが動いているのかもわからない状況でしたが、お話をしていくなかで、例えば「休暇申請がどういうスキームで、どのような制御の仕方で動いているか」といったことが理解できるようになってきました。加えて正攻法では難しい処理が必要になったときに、アマノさんが「この機能をこうしたらできるんじゃないですか?」というアイディアを出す様子も見せていただいて。そこから私たちも、過去の打ち合わせの経験などを踏まえて「この機能も使えそうですよね?」といった提案ができるようになりました。

3.アラート機能により、管理部門の負担減だけでなく各職員の意識向上にもつながった

Q:現在「TimePro-VG」はどのように運用されているのですか?

Aさま:全職員の勤務時間を本システムで管理しています。一般職員は、自分自身の日々の勤務状況の確認、超過勤務申請、休暇申請、フレックスタイムの申請・決裁などがメインとなります。課室管理者は、上記に加えて、管理者として所属課室の職員の超過勤務の予定・実績の確認、休暇の取得状況、日々の出勤状況などの管理も可能です。

ほかにも、給与担当では超過勤務の集計結果を用いた超過勤務手当の支給、厚生管理担当では超勤上限規制に基づく健康管理など、職員の勤務時間情報を元に業務を行う部署においては、本システムを用いて日々業務を実施しているところです。

管理部門としては、それまでは毎日、各課で取得した休暇が適切に出勤簿に反映されているかなどを確認していましたが、システムで自動反映されることで、そういった確認作業がなくなりました。紙の時は1人1日あたり1時間ほど、試行システムの時は先にお話ししたとおり逆に手間が増え、多いときは3~4時間かかっていたのではないでしょうか。それに比べると、自動反映されていることを前提とした確認作業となるため、休暇の取得条件が適切かなど、ポイントを絞った確認作業で済ませられ、「毎日確認する必要がなくなった」ことは大きいですね。

また、各課としても、それまで超過勤務時間の集計は手作業で実施していたものが、支給割合ごとに自動で集計されることから、作業量が減ったと聞いています。

Q:評判の良い機能や、個人的に気に入っていらっしゃる機能はありますか?

Aさま:まず、検索や集計の機能が非常に便利だと感じています。管理部門である当係では、病気で長らく休んでいる職員は誰なのか、育児や介護のための休暇を使用している人はどれだけいるのか、超過勤務が多い部署はどこか、といったようにさまざまなことを調べたり集計したりする場面が多くあります。導入前は、複数人が分担して手作業で集計することが多く苦労していましたが、TimePro-VGでは、さまざまな情報を検索したり集計したりする機能が充実しており、導入後は負担が大幅に軽減されたと感じています。

それから、アラート機能にはかなり助けられていると感じています。個人にアラートが出ることで、以前と比べて各職員が、自分自身の勤務時間などをより意識するようになったのではないでしょうか。

現在はタイムレコーダーに打刻する形ですから、「自分が出勤した痕跡を客観的に残す」作業であることがはっきり意識できます。急遽取った休暇の申請が遅れたり、ちゃんと打刻していなかったりするとその場でメッセージが出ますから、「そういえば昨日はちょっと早く帰ったな」といった気付きにつながる。そうやって意識してもらう状態がこのまま浸透してほしいですね。

自由に条件を設定して検索できる 「検索リスト機能」。上記は「休業、休職、出向、研修」取得者を検索するリストの例です。対象期間内において条件に該当した人を一覧で表示します。VGでは様々な条件を指定して検索することが可能です。1つの列だけを対象とするのではなく、複数の列を跨るような、複数条件の検索も可能です。また、所属や役職など検索リスト上で必要な情報を表示させることもできます。

Bさま:前日の退勤時間から当日の出勤時間までのいわゆる「勤務間インターバル」も、今までは知識として知っているだけであまり意識されていなかったと思うんです。TimePro-VGを導入してからは、一定の休憩時間が確保できていない時は、次の出勤時に「十分な休息が取れていませんよ」というお知らせが出るので、自分自身でリアルタイムに把握できるようになったと思います。

運用に合わせて自由にカスタマイズできるアラート機能。VGのアラートは抽出条件や抽出対象者はもちろん、テキストの内容まで自由に設定が可能です。例えば、時間外は企業によっては「残業」や「超過勤務」「超勤時間」のように呼び方が異なることがあります。運用に合わせてわかりやすい表現が可能です。また、アラートクリック後の遷移画面も処理内容に応じて任意のメニューを設定できます。

4.「TimePro-VG」を活用した超過勤務削減への取り組みを推進

Q:今後、「TimePro-VG」でどのようなことをやりたいとお考えですか?

Aさま:私たちが今回TimePro-VGを導入した主旨として「超過勤務を減らす、そのためにまず超過勤務をきちんと管理する」ということがありました。

従来は職員の超過勤務は表計算ソフトで管理していました。職員が業務状況を踏まえて業務内容と残業する時間数書き込んで申請し、管理者はそれを随時確認して超過勤務命令を行うことで、事前に業務内容、時間数等を把握して残業し過ぎないように管理する形でした。つまり、表計算ソフトを通じたやりとりとなるため、「わざわざ見に行かないと状況がわからない」という状況だったのです。

TimePro-VGの導入後は「管理者の承認(処理)を得ないと残業できない」という形になりましたので、より主体的に確認をする機会を作るべきではないかということで、「予定」と「実績」という2段階の申請方式を採用しました。アマノさんからは「実績だけでも実装できます」とご提案いただいたんですけれども、やはり事前に「本当にその超勤が必要なのか」ということを確認してこそ「管理」ではないかと。管理者にとっては手間が増える形ですが、超過勤務削減への取り組みは何年も前から言われてきていることですし、「TimePro-VGを活用して推進していこう」という気運が高まるのを期待していますね。折しもこれから繁忙期に入りますので(取材は2024年6月末)、勤怠情報を見える化する意味がこれまで以上に伝わっていくのではないかと思います。

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