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アマノの電気集塵技術を用いた、空気中に浮遊するSARS-CoV-2の捕集と検出に関する論文が学術雑誌「Microorganisms」に掲載されました。

アマノの電気集塵技術を用いた、空気中に浮遊するSARS-CoV-2の捕集と検出に関する論文が学術雑誌「Microorganisms」に掲載されました。

アマノ株式会社(本社:横浜市港北区、代表取締役社長:山﨑 学、以下アマノ)が開発した電気集塵式ウイルスサンプラーを用いて、アマノ株式会社と東北大学病院 総合感染症科が共同で実施した、東北大学病院および公共施設での実証実験に関する論文が2023年4月4日に「Microorganisms」にオンライン掲載されました。

掲載された論文は以下でご覧いただけます。
Microorganisms | Free Full-Text | Novel Virus Air Sampler Based on Electrostatic Precipitation and Air Sampling of SARS-CoV-2 (mdpi.com)

- 研究成果概要 -

●エアロゾル感染の原因となる空気中に浮遊するウイルス・病原菌のモニタリングは感染予防上大変重要であり、これらを簡便・安全に捕集するエアサンプラーを新たに開発しました
●COVID-19陽性患者が発する病室内浮遊ウイルス濃度と患者の病態との関連性を知ることのできる初めてのデータが得られ、開発したエアサンプラーはウイルス・病原菌の浮遊量を知るための有用なツールであることが示されました

*本研究は、東北大学病院 総合感染症科、合同会社MRCとの共同研究の成果です。解析にあたり、株式会社ゲノムクリニック、株式会社Preferred Networksにご協力いただきました。
*「Microorganisms」は、スイスに本社を置く学術誌出版社MDPI社が2013年に創刊したオープンアクセスジャーナル型式(Web公開)の学術誌です。この学術誌は、感染症・微生物関連分野の主要な雑誌の一つです。

- 研究の背景 -

2019年末に中国・武漢で発見されたSARS-CoV-2は瞬く間に世界に拡がり、パンデミックを引き起こしました。パンデミックを最小限に抑えるためには、空気中に浮遊するウイルスの挙動を迅速に調査し、適切な感染予防策を提案することが不可欠です。本研究では、溶液を捕集部とした電気集塵式エアサンプラーを開発し、空気中に浮遊するSARS-CoV-2の濃度の調査を行いました。このエアサンプラーは、従来のフィルター式と異なり、以下のような特長があります。

●空気中のウイルス等を直接溶液中に捕集し、容易に分析工程(PCR等)へ移行できる。
●用途に合わせた溶液を採用できるため、捕集したウイルスを不活化することや、ウイルスの分解を防ぐことが可能である。
●電気集塵方式を採用することで低圧損・低騒音のエアサンプラーを構築できる。

開発した電気集塵式エアサンプラーを用いて、COVID-19陽性患者の病室や公共の場の空気中でサンプリングを行いました。



- 結果 -

患者10名の病室の空気をサンプリングし、リアルタイムRT-PCRにより解析しました。その結果、すべての病室から、SARS-CoV-2 RNAを検出することに成功しました。その濃度は、感染からの経過日数、患者の容態、年齢などに影響を受けることが明らかとなりました。
また、公共施設(オフィスルーム、ショッピングモールのフードコート、駅の通路)の空気をサンプリングした結果、オフィスとフードコートの空気中からSARS-CoV-2 RNAの検出に成功しました。駅の通路で検出できなかった理由は、通行人すべてがエアロゾルの排出を抑制するマスクを着用していたためと思われます。



- 今後の展望 -

本サンプラーは、ヒトや動物の様々な呼吸器感染症の感染経路特定や、適切な予防レベルの設定、モニタリング等への活用が期待されます。



- アマノの電気集塵技術について -

アマノは40年にわたり、電気集塵方式を採用した工作機械用オイルミストコレクターを販売してきました。そこで培ったノウハウを活用して、2020年に空気清浄機「あまつかぜ」を販売しました。
*あまつかぜ製品紹介ホームページ  https://www.amano.co.jp/amatsukaze/

本ニュースリリースの詳細はこちら(PDF)
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