囲い式フードを設置する際に考えること
- AMANOのコラム
- 2026年7月13日
はじめに
局所排気装置を設置する場合、まず囲い式フードの設置を検討します。囲い式フードは物の出し入れを行う開口面の大きさが限られていることから、設置を検討する場合、設置する場所の作業内容を十分に把握している者の参画を心掛けてください。
囲い式フードの基本的構造
構造条件
- フードの中に発生源がすべて収まっていること
- 作業者の手以外フードの中に入らないこと
- 開口面の吸引気流が法で定める風速を満たしていること
何を行うのか
局所排気装置を設置する前に把握しておかなければならない事項を挙げると次の通りとなります。
有害物の取り扱い方法
有害物を使ってどのような作業をするのかによって対応が変わります。
特に気を付けなければならない作業の例として、塗装や接着剤を塗布するためにスプレー缶やスプレーガンで吹付ける作業があります。吹付けることにより、囲い式フード内に強い気流が発生するので、開口面から有害物が飛び出すおそれがあります。十分な吸引能力又は奥行きの深い囲い式フードの設計を行う必要があります。
他に回転体を有する場合、随伴気流(回転に伴って生じる気流)により、速やかな排気が損なわれるおそれがあります。回転してフード内の気流が乱れていても有害物質を排気する能力が必要です。
有害物の形状、大きさ
囲い式フードは物の出し入れを行う開口面の大きさが限られていることから、開口面より大きい物は出し入れできません。また、台車からの積み下ろしが必要な、重量のある物も囲い式フードへの出し入れが困難なことから、腰痛にならない作業方法を考慮する必要があります。台車から降ろさずに作業する場合は、例えば下のように昇降台車を上げると下の開口面が塞ぐことができるフードを設計するか、外付け式フードを検討する必要があります。

なお、有害性が高い物質の取り扱いには、グローブボックス型のフードの導入を検討しましょう。

グローブボックス型の囲い式フードは、開口面が手の挿入口のみで、法令で定める風速を確保し易い上に、アクリル板(又はガラス)から中を覗くので、見やすくできています。物の出し入れは、側面の板またはアクリル板を開閉することができるようにし、その開閉箇所から出し入れを行います。
作業上の注意
開口面の扉を開きすぎない
作業のし易さ、正面にアクリル板(扉)がないことによる視野性の良さより、扉を全開にしてしまいがちになります。全開にすると開口面の吸引気流の流速が法令で定める強さに満たなくなるので、吸引気流の流速を満たすことのできる扉の高さ以上に物理的に開かないように、鍵がある囲い式フードには鍵をかける等の対応が必要です。困難な場合は扉を開く限度を示す印をつけて、必要以上に扉を開かせないよう教育してください。
フード内を物置にしない
つい物を囲い式フード内に置いたままにしてしまいますが、整理整頓を心掛けてください。特に可燃物は放置しないようにしてください。手袋や廃棄するウエスなど、しばらく囲い式フード内に置いておく必要がある場合は、置き方や回収のタイミングなど、ルールを定めておいた方がよいでしょう。
囲い式フード内は有害物の濃度が一部高くなる場合がある
囲い式フードが適切に管理されていればフードの外に有害物は漏洩しませんが、例えば液体の有害物を小分け容器に分注する時、小分け容器の縁が有害物の蒸気で高濃度になる場合があります。その液体が引火性の高い物質であった場合、縁辺りの蒸気が引火する下限の濃度に達していれば静電気火花などにより引火し、火災になるおそれがあります。
静電気の帯電を防止するとともに、引火した場合、その場からすぐに退避できるように立位で作業するか、キャスター付きの椅子に座って作業することを検討しましょう。
このコラムが後悔のない
設備の導入の助けになればと思います。
コラム執筆者:労働安全衛生コンサルタント
小島 将則
- 労働安全衛生コンサルタント
- 作業環境測定士
- オキュペイショナルハイジニスト
- 中災防安全衛生エキスパート
