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HACCP(ハサップ)とは?
2020年6月に義務化された食品衛生管理手法について解説

2020年8月20日

2020年6月から施行されたHACCPの義務化について基本的な情報を知りたい人に向けて、HACCPに沿った衛生管理の制度化についてお伝えします。HACCPの基本情報や従来の検査との違い、義務化に関する情報などを詳しく解説します。

HACCP(ハサップ)とは何か


HACCP(ハサップ)は、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の5つの単語の頭文字に由来する、衛生管理の手法です。これらの単語は前半の2つを合わせて「危害分析」、後半の3つを合わせて「重要管理点」という言葉を作ることができます。これら2つの観点は、消費者に安全な食品を提供する上で欠かせないものといえます。 危害分析では、農家などで食品の原料を仕入れる段階から出荷時までの微生物や異物の混入などの危険要因を特定し、管理します。一方の重要管理点は食品の安全性を確保するため、管理基準を明確にし、特に重要に管理する必要のある工程を意味しています。

HACCPは製品への危険物質の混入に対し、作業過程を整理・分析・管理することでそのリスクを減らす手法です。生産物の衛生水準を守るために必要な工程管理システムといえるでしょう。なおHACCPはWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が合同で運営している食品規格委員会によって発表されており、国際的に認められているものです。


HACCP(ハサップ)と従来の検査との違い

従来の検査は最終製品検査での抜き取り検査が主流です。問題が見つかれば、一連の全ての製品廃棄が必要になるものの、抜き取り検査のため全てのチェックはできず、検査対象から漏れてしまう製品がある点が問題といえます。

一方、HACCPでは原材料の仕入れから最終製品が出来上がるまでの全工程において、微生物の混入や食中毒を引き起こす要因などの危険を予測し、それらを防止するために重要な工程の継続的な管理や記録を実施します。 このような管理体制をとることで、従来の検査に比べて、問題のある製品の出荷を効率的に防げるだけでなく、万が一、製品を出荷した後に何らかの問題が発生した場合も、製造工程のどの段階でその要因があったのかを迅速に調べられるなど、スムーズな対処が可能です。


HACCP(ハサップ)の7原則12手順を解説


ここからはHACCPのガイドラインである「7原則12手順」について解説していきます。


7原則12手順とは

HACCPでは食品製造の工程を管理するためのガイドライン、「7原則12手順」が設定されています。これは危害要因の分析、管理手法の設定・運営についての作業手順を規定したものです。

ガイドラインには12の手順があります。食品衛生のレベルを守るために、これらの手順に沿いながら製造を行います。製造現場では欠かすことのできない重要なポイントです。


7原則12手順の内容

12の手順のうち、前半5つが危害要因分析のための「準備」、後半7つがプラン作成の「原則」に分かれています。

・危害要因分析のための準備
「HACCPチームの編成」
「製品説明書の作成」
「意図する用途及び対象となる消費者の確認」
「製造工程一覧図の作成」
「製造工程一覧図の現場確認」

・危害要因分析、HACCPプラン作成の原則
「危害要因分析の実施」
「重要管理点(CCP)の決定」
「管理基準(CL)の設定」
「モニタリング方法の設定」
「改善措置の設定」
「検証方法の設定」
「記録と保存方法の設定」

チームを編成する際は、製造情報を集められるように各部門の担当者を入れるほか、HACCPの詳しい知識を持った人材に参加してもらうことがポイントです。適切な人材がいない場合は、コンサルタントを招くなど工夫をして安全性の高い生産体制を整えます。


HACCP(ハサップ)に関する認証や資格

HACCP認証は、HACCPの手法に基づいた衛生管理を行っている事業者であることを第三者が認めた証です。認証は大きく分けると、地方自治体が認証する「地域HACCP」、日本惣菜協会など、製麺や食肉加工など各方面の専門的な団体が認証する「業界団体HACCP」、厚生労働省の「総合衛生管理製造過程」、民間企業独自の認証である「民間HACCP」の4つがあります。

公・民間、業界には様々なHACCP認証が存在します。厚生労働省の認証は信用力が高いといわれたり、地方自治体の認証では取得のしやすさにバラつきがあったりするなど、それぞれ異なる特徴があります。認証を取得するためには、数十万円程度の費用や、数ヶ月の期間が必要です。

HACCPの資格は、専門知識を有しプランの作成や運用などができる人物であることを証明するものです。具体的には、公益社団法人日本食品衛生協会が定めている「HACCP普及指導員」や日本食品保蔵科学会が設ける「HACCP管理者資格」、一般財団法人日本規格協会が設ける「HACCPリーダー」などがあります。

HACCP普及指導員の資格は、研修を受けて申請すれば資格取得が可能です。一方、HACCPリーダーは他の資格とは異なり、取得のためには一定期間の実務経験が必要になります。これらの資格は国家資格ではないので、管理する際に有資格者がいなくても問題はありません。しかし、有資格者がいることで、より正しい手順で導入を進めていけるというメリットがあります。


2020年6月に施行されたHACCP(ハサップ)義務化について解説


ここからは2020年6月からスタートしたHACCPの義務化について解説します。


義務化に関係する法律

HACCPは、飲食による健康被害の発生を防止するための法律である「食品衛生法」に関係しています。この法律が2018年に改正された際、食中毒対策の強化やリコール情報の報告義務化などと並び、改正内容の1つとしてHACCP義務化が盛り込まれました。

2020年6月から施行が開始され、一年間の移行期間を経て2021年6月からは完全に義務化になる予定です。そのため、各事業者は期限内に制度の導入を行う必要があります。


義務化の対象となる事業者

原則は食品製造業や食品販売業、飲食店など、食品の製造や加工、販売などを行う全ての食品等事業者が対象です。しかし事業形態や規模によって「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の2パターンのうち、どちらの基準で管理をするかが異なります。 前者は従業員数が50名以上の規模の企業で適用され、後者は従業員数が50名未満で、一般衛生管理の対応範囲内の業種であることが目安です。

なお、このような一般事業者や小規模事業者は義務化の対象となる一方、食品又は添加物輸入の営業を行う者など、定められた4つの営業者に当てはまる場合は対象外となるため、この手法に沿った管理を必要としません。


義務化によって実施が求められること

義務化によって、対象となる事業者は衛生管理計画の作成・実行や確認などが求められます。また、大規模事業者と認定小規模食鳥処理場以外の屠畜場・食鳥処理場は7原則を要件とした衛生管理が必要です。


義務化への対応方法

計画書は各業界団体によって作成された業種別の手引書もあるため、参考にしながら作成しましょう。相談窓口や保健所で相談することも可能なので、不明な点があれば確認しながら導入を進めていくことが大事です。

HACCPは製品の安全性を確保するための重要な制度です。義務化の無視は営業許可証の更新不可や罰則、罰金の対象となる場合もあるため気を付けましょう。


HACCP導入の対象となる事業者は、2021年6月までに実施するように準備しなくてはいけません。従業員数など事業規模によって適応される基準が異なるため、手引書を見たり、保健所などで相談しながら導入を進めていきましょう。



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